症状と対処法

◎アトピー

アトピーとは、1型アレルギーからくる慢性の湿疹です。
幼児から20歳代に多く症状がみられます。
乾燥肌、ドライスキンの傷口からほこりや、ダニなどのばい菌がはいって、1型アレルギーがおこり慢性の湿疹となったものです。
子供では上半身に2か月、大人では6か月、頭、顔、肘、背、膝窩、手などが左右対称性に痒みがあります。体の洗いすぎ、遺伝、食物アレルギー等が原因となっておこります。
治療は炎症をおさえるステロイド外用薬(ぬりぐすり)プロトピック(免疫抑制剤)の塗り薬があります。乾燥肌には保湿剤をつかいます。夜眠れないくらい痒い、我慢できないほど痒い場合は、痒み止めの飲み薬、抗ヒスタミン剤を処方します。重症の場合、ステロイドの内服があります。
日頃の生活で気を付けることは、ストレスをためない、清潔にする、睡眠をとることです。
汗や日焼け、乾燥にも注意して、夏は日焼け止め、冬は保湿剤を使い予防してください。
洗濯の際、すすぎはしっかり行ってください。お風呂は熱いお風呂にははいらず、ぬるま湯で、入浴剤は使わないほうがいいでしょう。体を洗うときは綿のタオルで固形石鹸を使い、体の汚れを流してください。ナイロンタオルや洗いすぎは避けてください。肌が乾燥しやすくなります。
プールはとびひにならなければはいっても大丈夫です。プールに入る前、腰洗い槽には入らず軽くシャワーを浴びゴーグルをかけから入ってください。休憩時間は日差しを避けて日陰で休むといいです。プールから出た後はシャワーを浴びてから、体の水分をタオルで吸い取りその後保湿剤を塗りましょう。
室内はこまめに掃除をしてください。ダニ予防として畳や、絨毯よりフローリングの方がいいでしょう。寝具は毛布丸洗いクリーニンングや布団はこまめに干す等ダニ予防対策も行ってください。有毛性のペットはあまり飼わない方がいいでしょう。冷暖房をつかうと部屋の湿気がなくなりますので十分注意してください。
掻くことは悪化の原因となります。患部を冷やして、掻かずにステロイドを塗り、痒みを取り除いてください。
普段の生活から原因をみつけだしそれを取り除くことが大切です。汗ならシャワー、乾燥なら保湿剤、ダニならダニ除去剤。また毎日使用するシャンプーやリンス、化粧品等にかぶれていたら、その商品の仕様を避ける事です。
ゴールは肌がもとのツルツルすべすべの肌に戻ること、痒みが生活と仕事ができるくらいまでおさまって、保湿剤だけで維持できるくらいになることと合併症がないことです。合併症には、白内障、網膜剥離、眼の周りが痒くてバシバシはたきます。それで、白内障になります。バリア機能が低下した肌では、容易に皮膚の感染症になってしまいます。例えば、カポジ水痘様発疹症というヘルペスウイルス感染症や、とびひ等の黄色ブドウ球菌感染症などがあります。また、水いぼも皮膚の感染症です。
ステロイドの塗りすぎが心配なら、1日1回、1日おきに1回、2日おきに1回、1週間に2回だけ1回と減らしていくことです。

◎ざ瘡(ニキビ)

10~20歳代に多い病気で、男性ホルモンが高いために毛穴の脂腺(脂の腺)から、脂がたくさん出て、毛穴で脂とニキビ菌が混ざって炎症となり毛穴が角化、硬くなる病気です。
新薬、過酸化ベンゾイルが主流で、その他、抗生物質、漢方薬があります。過酸化ベンゾイルは、デュアック、ベピオ、エピデュオなどがあり、ヒルドイドローションなど保湿剤を塗った後、顔なら1FTU1関節分の軟膏を顔全体に塗るのをお勧めします。
ニキビの原因はストレス、便秘、睡眠不足、油もの、ピーナッツやチョコレートの食べ過ぎ、生理前、刺激の強い化粧品の使い過ぎ、洗い過ぎ、こすりすぎが原因です。
女性の場合、顎にあるニキビで2~3ケ月治らないときは婦人科にも相談するとよいでしょう。

◎爪みずむし

足の爪に白癬菌が感染しておこる真菌感染症(みずむし)です爪が肥厚して、カサカサになり、白くなりますが痒みはありません。

【薬の使用法】

抗真菌剤の液体を爪にたらし、全体にいきわたらせます。皮膚についたらティッシュでふきとります。爪と肉の間の爪が、肥厚しているところにも塗ります。
使用はお風呂上りの1日1回です。爪切りばさみについているやすりで削ってからつけると白癬菌が暴露されて、効果は倍増します。最低6か月は塗り続けてください。爪全体が生え変わるのに1年かかるといわれていますので、爪を抗真菌剤でなおしながら1年で治るでしょう。ただし1年6ケ月から2年かかる場合もあります。
白癬は乾燥に弱いのでお風呂上りにドライヤーで十分乾かしてから爪に抗真菌剤の液を塗るとよいでしょう。

◎湿疹

湿疹は、かぶれ、接触皮膚炎、その他の湿疹にわかれます。皮膚炎ともいいます。
4型アレルギーが主です。
紅色でブツブツ、カサカサ、痒みがいろいろ混ざっているのを湿疹といいますが、このなかのいずれか1種類の場合も湿疹といいます。
湿疹はアレルギーからおこり、アレルギーはステロイドがきいて、ステロイドは炎症と痒みをおさえます。
ステロイドは湿疹の部分に、朝とお風呂上りの1日2回、塗ります。急性の湿疹なら、1~2週間で治り、慢性の湿疹なら、3~4週間で治ります。湿疹の部分にしっとりするくらい、わずかにてかる程度を塗り、1関節分の軟膏が両手の平ぶんのぬる面積です。徐々に改善してきたら1日1回から、1日おきに1回、2日おき1回、週に2回だけにするとよいでしょう。
保湿剤は何度も塗れます。痒みも止まり、スキンケア効果もあります。湿疹の原因は汗、乾燥、カビ、ダニ、ストレス、食物、体の洗い過ぎ、かきすぎ、刺激剤(シャンプー、リンス、化粧品、洗剤)の私用、植物の影響、ペットの毛、日光、金属、花粉、虫刺されなどがあります。
ステロイドの副作用は、皮膚が薄くなる、紅色となる、かびがはえる、多毛になる、ニキビがでるなどです。ステロイドの塗り薬の副作用は皮膚にしか副作用が出ません。昔からこわいといわれていたステロイドの副作用は、ステロイドの飲み薬です。内臓に副作用がきます。湿疹は冷やして、かかなくて、ステロイドを塗って、原因を取り除くことが1番大切です。自分の生活の中で原因となったことを生活の中からみつけだして原因を取り除くことです。お風呂は熱いお湯には入らずぬるま湯に入ります。石鹸は固形石鹸を使い泡にして綿のタオルで体を洗い、ぬるま湯で体の泡を流すのがいいです。

◎帯状疱疹

帯状疱疹は、からだの左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、赤い斑点や小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気です。原因は、からだの中に潜んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかった人なら誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
60歳代を中心に50~70歳代に多く見られる病気ですが、過労やストレスが引き金となり若い人に発症することも珍しくありません。
治療は、抗ヘルペスウイルス薬を中心に行われます。
抗ヘルペスウイルス薬の飲み薬は、効果が現れるまで2日程度かかります。服用してすぐに効果が現れないからと言って、服薬量を増やしたり途中でやめたりしないで、医師の指示通りに服用してください。

◎白癬症 みずむしで注意すること

  • バスマットとタオルは自分専用の物を使用し、他人と共有しないことです。
  • お風呂から上がったら、ドライヤーで十分乾かしてから、みずむしのクリーム液を塗るとよいでしょう。*みずむしは乾燥に弱い
  • 靴は洗って清潔にし、干してよく乾かし他の靴と交換しながらはくとよいでしょう
  • 5本指の独立した靴下をはき通気性をよくしてください
  • みずむしの菌とそのカサカサが家中にばらまかれると、家族にうつるので掃除はこまめにすることです。家での移動は自分専用のスリッパをはくとよいでしょう。家では素足でいるとよいでしょう
  • 6~8月はみずむしが発生しやすい季節なので、公共の施設、特にプール、温泉、旅館のバスマット等は、避けて歩くとよいでしょう